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「求人票が変わると、採用が変わる」という思いで2016年11月に求人票採点サービスFindy Scoreをリリースしました。

短期的な売上という点ではそれほど大きな成功ではありませんでしたが、無料会員登録を含めてこれまで述べ700社程度の企業会員に使っていただいており、「ハイスキルなエンジニアのプレミアム転職サービスFindy」でも求人と候補者のマッチングアルゴリズムの一部として利用している等、Findyにとっても大事なサービスになっています。

また、最近では他の人材メディア企業向けにセミカスタマイズを含むライセンス提供等も始めており、特許申請もしております。

Findy Scoreのライセンス提供に興味のある企業様はこちらからご連絡ください。

したがって、プロダクトとしてはまだまだ不十分なものの、「求人票が変わると、採用が変わる」を実感して頂いているクライアント様も増え、小さくではありますが当初の思いが世の中に広がっている部分もあると感じております。

また、私自身も開発時に各企業の自社採用サイトに掲載されている求人票を延べ10万回以上を読んだ上でアルゴリズムをつくった背景もあり、思いのこもったプロダクトでもあります。(結果、求人票読了数では日本でも有数の存在になりました。)

今回はそんなFindy Scoreの利用に関して、サービス提供者としては少し悲しいことがあり、筆を執りました。

具体的には、Findy Scoreの無料会員登録時にRPAツール(Robotic Process Automationの略で業務の自動化を行うツール)等を使って、1100回以上のログインと4180件以上の求人票解析を行った人材業界の上場企業がありました。今回は、その事象に関するご報告と、今後のFindy Scoreのスタンスについてです。

求人票採点サービスFindy Scoreとは

Findy Scoreとは採用担当者向けの求人票改善ツールです。3秒で求人票を採点し、リアルタイムで改善アドバイスを提供します。また、ハイレベルな求人票の検索、求人票のエンジニアとの相性診断機能も利用できます。当初の約1ヶ月程度は無料で利用できるもので、継続利用を頂く場合に企業様から月額課金する仕組みとなっております。

具体的には以下のような画面で求人票/募集要項を入力すると100点満点で採点してくれるサービスです。但し、入力にはコピー&ペイストを行ったとしても、人が求人票改善のために使うと一定程度の時間がかかると想定されます。

求人票採点サービスFindy Scoreに起こった事象

2018年3月から4月にかけてFindy Scoreの無料会員期間にRPAツール等を使って、1100回以上のログインと4180件以上の求人票解析を行った人材業界の上場企業がありました。

特に、頻繁に利用されている時間帯は約20~30秒単位で1求人が採点されていました。

実施企業にヒアリングした際の回答

上記を発見した際に、もともとサービスとしては企業の人事部門や人材業界の担当者が利用することを想定しており、また2ユーザー以上でチーム利用版、6ユーザー以上の場合はエンタープライズ版の利用をサイト内でもお願いしておりました。

1100回以上のログインと4180件以上の求人票解析は約1ヶ月の期間があったとは言え、1人で採点サービスを使うには一般的な回数ではないため、適切な利用の方法ではないのではないかと考えヒアリングしたところ、以下の回答が返ってきました。

「RPAツールを使用し、入力作業の一部を自動化して実施した事実はありますが、これは求人票の採点という貴社サービスの通常の利用範囲内の行為」

「RPAツール」を使っての利用は禁止せざる負えない

Findy Scoreでは、あくまでサイトトップにも記載のとおり、企業内に所属する個人が1人で利用することを「個人利用」としており、5ユーザーまでを「チーム利用」、それ以上を「エンタープライズ版」としております。

もちろん、1人の担当者が4,000求人以上を担当しており、そのためすべて採点しました、ということであれば、そのとおりかもしれませんが、残念ながらサービス提供者としてのマネタイズの機会は失われてしまいます。

したがって、「RPAツール」を使ってのご利用について、当社として禁止せざるをえないと考えております。

Findy Scoreはこれからもオープンなサービスでありたい

「求人票が変わると、採用が変わる」という当初プロダクトを開発する上で持った思いは今でも変わりません。

これまでも本ブログや講演等では「求人票=ジョブディスクリプション」を丁寧に書くことの大切さを訴えてきましたし、これからも続けていきたいと思っております。

実際に「求人票」を丁寧に書くことは採用における結果が変わるだけではなく、自社の各部門において求める人材要件や仕事の定義を明確にすることになるので、無駄な仕事を減らしたり、或いは業務の一部分をアウトソースし易くなる大切な一歩だと考えております。

つまり「働き方改革」と「求人票」は強いつながりのあるものだと思っています。

従いまして、Findy Scoreはこれからも日本の人事にはもちろんのこと、日本の人材企業に向けてもオープンなサービスでありたい、と思っております。ぜひ、企業単位でご利用いただける場合は、「チーム利用」以上を、大量の求人票の採点をご希望でしたら、RPAツールを使うのではなく、「他の人材メディア企業向けにセミカスタマイズを含むライセンス提供等」をご利用頂ければ幸いでございます。

実際に、セミカスタマイズの成果は出ており、この人材メディアだと、例えば必須スキルの部分に「○○」という単語があれば、応募へのコンバージョンが上がるなどの結果も出ております。

また、本事象が発生してからFindy Scoreの一時有料会員化などを止めておりましたが、改めて再開をするとともに、少しお時間を頂いておりました企業様には深くお詫び申し上げます。

最後に

最後になりましたが、人口が減り、豊かさを維持できるかどうかの瀬戸際に立つ日本にとって「30年先も豊かな日本を維持するために何をすべきか」、その答えの一つが非連続なイノベーションを生み続けることだと考えております。

詳しくはこのブログに書いております。
これからはエンジニアの「個人の力」が重要!Findyが創りたい社会について

今回の事象は少ない資金でイノベーションを生み出すために戦っているスタートアップにとっては非常に残念なことです。上場企業であれば、金銭的にも余裕のある企業が多いので、そこはスタートアップとの協業や本当の意味でのオープンイノベーションの道を選んでほしかったと思っております。

そして、我々はこういった事象があったとしても、その事象を行った企業に対しても常にオープンでありたいと思っております。

Findyはまだまだの企業ではありますが、今後とも皆様のサポートを頂ければ幸いでございます。

山田裕一朗

 

文中でもありましたが、最近では、以下のようなスキームで転職サイト等の人材メディアを持つ企業向けにセミカスタマイズを含むライセンス提供を行っておりますので、ご興味のある企業はこちらからご連絡ください。