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先日、「人事 to IT カイギ #01」に参加してきました。

テーマは「エンジニアのキャリアパスとしての人事責任者」となっており、エンジニア出身かつ経営者や人事担当として人事に関わってきた方の経験談を学ぶ会でした。

僕自身もスタートアップの創業経営者として、今後の採用及び人事は避けては通れない分野と考えていて、そういった意味では同じエンジニア出身の経営者や人事責任者から学ぶことで新たな発見を得ました。

そこで今回、登壇された内容を思い返してみて改めて発見できたことをまとめてみます。

エンジニアと人事の距離

まず、大きな課題として「エンジニアと人事の距離がとても遠い」ということ。お話を聞く中でもこれは実感しました。

実際、エンジニアとして企業に働かれている方は強く感じていると思いますが、人事部門と仕事で関わるケースは少なく、「勤怠やら福利厚生の申請の手続きの仕事を依頼する部門」くらいに思って接してる方も多いのではないでしょうか。わりと僕も昔はそうでした。

実際に人事の近くで働くとわかりますが、コミュニケーションの取り方や雰囲気もエンジニアの組織とは大きく異なります。

また、採用プロセスの中でも技術理解が低い人事部門に対してどちらかと言うとマイナスの印象を持っているエンジニアもある程度いるのではないかと思います。

一方で人事サイドから見てもエンジニアの仕事は理解が難しいく、さらに「エンジニアは仕事に没頭している印象で話しかけ辛い」と思っていることが多いようです。

つまり、どちらから見ても ”遠い存在” になっています。ちょっとつらい。もっとお互いを知れる工夫がほしいところですね。

人事の悩みはエンジニアの求人票が書けないこと

Findy Score の開発を通して多くの採用・人事担当の方とお会いする中で、彼らが一番悩んでいるのがエンジニアの求人を書くことが、本当に、本当に、大変だということ。しかも、多くの企業でエンジニア採用がもっとも競争の激しい採用マーケットの一つと言われています。

人事担当はこれまでどちらかというと営業やカスタマーサポート出身の方が多いため、エンジニアが具体的にどんな仕事内容で、どんな職場が魅力的なのか想像しにくいという声を聞きます。

最近だと「優秀なエンジニアとはなんなのか」などの定義について言及されて話題になっていたりしますよね。エンジニアでもいろいろな人を巻き込んでの議論になるくらいなので、人事がエンジニアの求人を具体化できないのも共感できます。

また、採用だけでなく、エンジニアに対する評価制度や報酬制度、働き方など組織づくり面で悩んでいる人事も多くいます。

当日のお話でも出ていましたが、「プロダクト開発はエンジニアだけで仕事が回らなくなってきてる」こともあるし、「エンジニアだけ特別な制度というのもおかしい」というのをエンジニアが人事担当になることで解消したりしたそうです。しかしながら、現場のニーズや状況に合わせて働きやすい環境をどうやって作っていくかは、これからも変わらず悩ましいところだと思いました。

採用・人事担当がエンジニアの関与を求める時代

また、これまでエンジニアを”遠い存在”と考えていた人事も、最近はエンジニアとの関わりを求める時代になってきています。

もちろん、”採用”活動そのものでのエンジニアのサポートが欲しいという需要は日増しに強くなってきています。

例えば、欲しいエンジニアを口説くためにはやはり現場から見たその会社のエンジニアリングの良さ、エンジニアとして働く魅力などが同じエンジニア目線から伝えられることでより確実性の高い採用ができますよね。これは人事からだとどうしても伝えきれないところです。

ただ、採用のサポートだけでなく、これまでコミュニケーション能力や過去の経験値を中心に進めてきた採用・人事活動をデータを軸に科学的アプローチで取り組み直していこうという動きが活発になってきています。

実際に、人事にデータサイエンティストがいる会社も出てきており、こうしたデータ×採用・人事の動きは今後よりいっそう加速すると考えています。

例えば、最近ではセプテーニさんの「人的資産研究所」の取り組みが非常に面白いです。新人と配属環境のマッチングや科学採用などのレポートは目から鱗です。

https://www.septeni-holdings.co.jp/hcreport/index.html

こういうデータ見るとめちゃめちゃやり甲斐ありそうだなと思いますし、積極的に関与していけるエンジニアが増えると良いなと思います。

ツール選定やデータ解析をエンジニアにサポートして欲しい

実務において、今後特に重要になるのがデータを取るためのツール選定とデータの解析です。例えば採用時の SPI データとその後の人事評価データを紐付けて、本当にその企業が欲しい人材は誰かを定義するなどといったデータを活用した業務が求められています。

しかしながら、特に日本においては人事領域のプロダクトはまだまだ発展途上で本当に欲しいデータが集められていなかったり、あるいは現状で集まっているデータが使えなかったりと課題が山積しています。

したがって、人事領域でもどんなデータを取っていくのか、そのデータをどう活用していくかという分野ではエンジニアのサポートは欠かせないものになってきています。

イベントでも言及されていましたが、人事業務は最初からやり直しする作業がエンジニアと比べて多いのも特徴です。やり直しは業務上避けられない部分もありますけども。

あくまで一例ですが、エクセルにデータを入れた分析業務をやっていたとします。今は人事の方が色々なデータソースからデータをコピペして作業してるケースがあったりします。そこにエンジニアが入れば、同じ作業を繰り返すことが多かった箇所に対してスクリプトで処理し、「今まで丸1日かかっていたような分析業務が数時間で終わる」といったことが可能になるのではないでしょうか。

この例以外にもわりと手作業で処理している部分が多く見受けられるので、エンジニアのサポートにより非常に効率化の恩恵を受けられるかなと思います。

エンジニアのキャリアパスとしての人事責任者

最後が「エンジニアのキャリアパスとしての人事責任者」です。エンジニアの中でも技術力だけで戦い続けることができる人はかなり少数です。

つまり、長く価値を出し続けられる人材でいたいのであれば、「エンジニア×●●」といった掛け算の要素が重要になってきます。 掛け算の中でも人事は一つの魅力的な選択肢と言えます。

なぜなら、従来のやり方だけではなく、データを活用した採用・人事の流れが今後加速するからです。要因はデータの計算量が大幅に上がった、人口減少の中で採用が難しくなっているなどいくつかありますが、いずれにせよ変革期にきており、しかもエンジニアの知見が生かしやすい状況にあると言えそうです。

また、一定以上に昇進した場合、コード書くだけでは許されず、マネジメントや採用・評価等を通して組織の拡張やレベルアップにコミットすることが求められるようになります。その下準備としても、人事やその他ビジネスサイドの経験を積んでおくことは有意義なはずです。

わりとそういった人材がいない上に非常に求められていると思うので、キャリアに悩む方は目指してみても面白いかもしれないですね。

まとめ

先日の「人事 to IT カイギ #01」に参加してきて改めて発見できたことを記事にしてみました。

エンジニアにとって、人事という領域はブルーオーシャンと言っても過言でないくらいエンジニアリングすると面白そうな領域であること、採用自体・採用のサポートに携わることで組織として効率化が可能なこと、新しいキャリアパスとしての人事担当といった発見が出来たイベントでした。

さらに今後同様のイベントで「あれから実際にエンジニアが関わってどう変化したか」をお聞きできたら、と思います。

また、Findyではエンジニアの採用支援にも取り組んでいます。興味ある方は以下からご連絡ください。

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